第27回 柔道整復師国家試験問題 [ 午後 ] (61~110)

問題61 変形と原因の組合せで正しいのはどれか。
1. 三尖⼿ ─── 胸郭出⼝症候群
2. 鷲⼿ ─── 外反肘
3. 下垂⼿ ─── 後⾻間神経⿇痺
4. 猿⼿ ─── ギヨン(Guyon)管症候群


問題62 つま先歩き破⾏になるのはどれか。
1. フライバーグ(Freiberg)病
2. プラント(Blount)病
3. ケーラー(K6hler)病
4. セーバー(Sever)病


問題63 化学療法に感受性の低い悪性⾻腫瘍はどれか。
1. 悪性リンパ腫
2. ⾻⾁腫
3. 軟⾻⾁腫
4. ユーイング(Ewing)⾁腫


問題64 30歳の男性。6か⽉前から運動で軽減する腰痛があり、腰椎の背屈制限を伴っている。この患者にみられる所⾒はどれか。
1. 腱付着部炎
2. 間⽋性破⾏
3. 関節内⽯灰沈着
4. 腸⾻翼形成不良


問題65 70歳の⼥性。転倒して⼤腿⾻近位部を⾻折した。⼆重エネルギーエックス線吸収法による腰椎の⾻密度は若年成⼈平均値の78%であった。⾻粗霧症の薬物治療を開始する判断で正しいのはどれか。
1. 今すぐに開始する。
2. 喫煙歴があれば開始する。
3. 脆弱性⾻折の家族歴があれば開始する。
4. 今後⾻密度の低下が⽣じれば開始する。


問題66 完全⾻折はどれか。
1. 陥凹⾻折
2. ⽵節状⾻折
3. 剪断⾻折
4. ⾻膜下⾻折


問題67 ⾻挫傷が証明される画像はどれか。
1. 超⾳波
2. 単純エックス線
3. CT
4. MRI


問題68 関節包内⾻折はどれか。
1. 上腕⾻外科頸⾻折
2. 上腕⾻顆上⾻折
3. ⼤腿⾻頚部内側⾻折
4. ⼤腿⾻⼤転⼦単独⾻折


問題69 握雪⾳を⽣じるのはどれか。
1. 仮⾻の軟化
2. 外傷性⽪下気腫
3. 偽関節
4. 外傷性⾻化性筋炎


問題70 施術録で正しいのはどれか。
1. 患者本⼈以外に対する説明は記載しない。
2. 訂正する場合は修正液を⽤いる。
3. 業務範囲外で転医した場合は記載しない。
4. 施術完結の⽇から5年間保存する。


問題71 ⾻折の固定で正しいのはどれか。
1. ⾻折部の安静を⽬的とする。
2. 解剖学的正位を原則とする。
3. 範囲は患部より遠位2関節とする。
4. 期間はリモデリング期終了までとする。


問題72 胸⾻⾻折で正しいのはどれか。2つ選べ。
1. ハンドル損傷で発⽣する。
2. 斜⾻折が多い。
3. 呼吸運動に障害はみられない。
4. 合併症に縦隔内臓器損傷がある。


問題73 ゴルフの右スイングによる肋⾻疲労⾻折の好発部位はどれか。
1. 右第1.2肋⾻斜⾓筋付着部
2. 右第7.8肋⾻結節部
3. 左第3.4肋⾻前鋸筋付着部
4. 左第5.6肋⾻⾓部


問題74 腰椎椎体圧迫⾻折で正しいのはどれか。
1. 下位腰椎に多発する。
2. 椎体は楔状変形を呈する。
3. ⻲背変形を呈する。
4. 脊髄症状を呈する。


問題75 肩甲⾻体部⾻折で正しいのはどれか。
1. 介達外⼒による発⽣が多い。
2. 横⾻折はまれである。
3. ⼤きな転位を⽣じる。
4. 上肢の外転動作が困難となる。


問題76 上腕⾻解剖頸⾻折で正しいのはどれか。
1. ⼩児に好発する。
2. ⾻折部の変形が著明である。
3. 肩関節内転位で固定する。
4. 阻⾎性⾻壊死の危険性がある。


問題77 上腕骨顆上伸展型⾻折で正しいのはどれか。
1. 顆上部に強⼒な後⽅凸の屈曲⼒が働き発⽣する。
2. 肘関節部に⾼度な腫脹を認める。
3. 肘関節前⽅脱⾅との鑑別が必要である。
4. 偽関節を⽣じやすい。


問題78 関節伸展位で固定するのはどれか。
1. 上腕⾻⾻幹部⾻折
2. モンテギア(Monteggia)⾻折屈曲型
3. 上腕⾻内側上顆⾻折
4. 橈⾻頭⾻折


問題79 前腕⾻遠位端部⾻折で正しい組合せはどれか。
1. コーレス(Colles)⾻折 ─── 鋤状変形
2. スミス(Smith)⾻折 ─── フォーク状変形
3. バートン(Barton)⾻折 ─── 遠位橈尺関節不全脱⾅
4. ショウファー⾻折 ─── 関節内⾻折


問題80 ⼿⾈状⾻⾻折で誤っているのはどれ.か。
1. ⼿関節背屈橈屈時に運動痛がある。
2. 関節内⾻折はまれである。
3. 近位3分の1の⾻折は壊死が⽣じやすい。
4. スナップボックスの圧痛がある。


問題81 外傷と固定⽅法の組合せで正しいのはどれか。
1. 鎖⾻⾻折 ─── ハンギングキャスト
2. ガレアジ(Galeazzi)⾻折 ─── ショートアームキャスト
3. 膝内側側副靭帯損傷 ─── シリンダーキャスト
4. 脛⾻粗⾯部⾻折 ─── PTBキャスト


問題82 棘果⻑が延⻑するのはどれか。
1. デュベルニー(Duverney)⾻折
2. マルケーニユ(Malgaigne)⾻折
3. ⼤腿⾻頸部内転型⾻折
4. 股関節後⽅脱⾅


問題83 ⼤腿⾻⾻幹部⾻折で誤っているのはどれか。
1. 介達外⼒による発⽣が多い。
2. 斜⾻折は再転位の傾向が強い。
3. 開放性⾻折となることがある。
4. ショック、合併症に⼗分注意する。


問題84 ⾜根⾻⾻折で正しい組合せはどれか。
1. 距⾻⾻折 ─── リスフラン関節脱⾅の合併
2. 踵⾻⾻折 ─── ベーラー⾓の減少
3. ⾈状⾻⾻折 ─── ⾜底の感覚障害
4. ⽴⽅⾻⾻折 ─── 内側アーチの低下


問題85 反復性肩関節脱⾅で正しいのはどれか。
1. 上腕⼆頭筋⻑頭腱損傷の合併が多い。
2. サルカス徴候が出現する。
3. ⾼齢者に多くみられる。
4. 肩甲下筋が障害される。


問題86 橈⾻頭脱⾅で正しいのはどれか。
1. 後⽅に脱⾅することが多い。
2. 前腕回外強制で発⽣する。
3. 尺⾻⾻折を伴うことが多い。
4. 前⾻間神経損傷を合併する。


問題87 ⼿のPIP関節脱⾅で正しいのはどれか。
1. 掌側脱⾅が多い。
2. 浅指屈筋腱断裂ではDIP関節を屈曲できない。
3. 正中索の損傷の場合は屈曲位で固定する。
4. ボタン⽳変形は徐々に発⽣する。


問題88 股関節脱⾅を腹臥位で整復するのはどれか。
1. 牽引法
2. デパルマ法
3. コッヘル法
4. ステイムソン法


問題89 膝関節脱⾅で正しいのはどれか。
1. 前⽅脱⾅は過度の屈曲が強制され発⽣する。
2. 後⽅脱⾅はダッシュボード損傷で発⽣することが多い。
3. 外側脱⾅は下腿が内旗する。
4. 内側脱⾅は完全脱⾅となる。


問題90 膝蓋⾻脱⾅で正しいのはどれか。
1. 膝蓋⾻は内⽅へ転位することが多い。
2. Q⾓は減少する。
3. 膝は軽度屈曲位に弾発性固定される。
4. 膝関節90度屈曲位で固定する。


問題91 膝蓋⾻外側脱⾅の固定除去後に⾏う筋⼒強化で有効なのはどれか。


1. a
2. b
3. c
4. d


問題92 神経根型の頚部捻挫で正しいのはどれか。
1. 胸鎖乳突筋の筋⼒低下
2. 上肢の感覚障害
3. 肩関節の拘縮
4. 下肢深部反射の減弱


問題93 各検査の評価⽅法で誤っているのはどれか。
1. SLRは膝伸展位で股関節屈曲90度までの疼痛出現をみる。
2. ルーステストは1分間の運動継続をみる。
3. スピードテストは結節間溝への疼痛出現をみる。
4. ファーレンテストは1分以内の症状出現をみる。


問題94 クワドリラテラルスペース症候群で誤っているのはどれか。
1. 腋窩神経の絞掘性障害である。
2. 肩関節外転動作が困難となる。
3. 棘下筋に萎縮がみられる。
4. 肩外側に感覚障害を認める。


問題95 末梢神経障害と症状の組合せで正しいのはどれか。
1. 前⾻間神経⿇揮 ─── ⺟指球筋の萎縮
2. 後⾻間神経⿇蝉 ─── ティアドロップアウトライン
3. 肘部管症候群 ─── フローマンサイン
4. 円回内筋症候群 ─── ⾻間筋の萎縮


問題96 単純性股関節炎で正しいのはどれか。
1. ⼥児に多く発⽣する。
2. 両側同時発症はない。
3. 股関節開排制限が特徴である。
4. ⼤腿⾻頭壊死を起こすことがある。


問題97 ⼤腿⾻部前⾯の打撲で誤っているのはどれか。
1. コンタクトスポーツで多くみられる。
2. 初期は膝関節屈曲位で固定する。
3. 受傷後24時間を経過したら温熱療法が有効である。
4. 疼痛増悪時は医師に診断を仰ぐ。


問題98 臥位で被検者の膝関節を90度屈曲位とし、検者が下腿と踵部を把握、脛⾻⻑軸近位⽅向へ圧迫を加えながら下腿を内旋したところ、関節部に疼痛が誘発された。この徒⼿検査で判明する損傷部位はどれか。
1. ⼗字靭帯
2. 側副靭帯
3. 関節半⽉
4. 関節滑膜ひだ


問題99 有痛性三⾓⾻障害で正しいのはどれか。
1. ⾜部の過剰⾻で最も頻度が⾼い。
2. ⾜関節最⼤背屈で疼痛を訴える。
3. ⾜関節後内側の疼痛がみられる。
4. ⾜関節捻挫を契機に発症する。


問題100 ⾜根管症候群で正しいのはどれか。
1. ⾜根管は内果後壁と伸筋⽀帯で形成される。
2. 腓⾻神経枝の絞掘性神経障害である。
3. ⾜背部の感覚異常が主症状である。
4. 過度回内⾜は⾜根管内腔を狭める。


問題101 18歳の男⼦。3週前、サッカーの試合中に右⾜関節を捻挫し、施術を⾏っていた。現在、⽇常⽣活での歩⾏で⾜関節部に疼痛や不安感はないが、運動時に踵⾻隆起部の疼痛を訴えている。テーピングの写真(別冊No.2)を別に⽰す。競技復帰時に⾏う適切なテーピングはどれか。


1. a
2. b
3. c
4. d


問題102 70歳の⼥性。⽯につまずき、⼿関節を軽度背屈位・過度回内位で⼿を衝いた。⼿関節の近位2cm付近に限局性圧痛がみられ腫脹著明で、同部位の幅も著しく増⼤していた。整復後の固定肢位はどれか。
1. 前腕回内位、⼿関節軽度掌屈位、軽度尺屈位
2. 前腕回内位、⼿関節軽度背屈位、軽度橈屈位
3. 前腕回外位、⼿関節軽度掌屈位、軽度橈屈位
4. 前腕回外位、⼿関節軽度背屈位、軽度尺屈位


問題103 31歳の男性。空⼿の稽古中、試し割りで板を拳で突いた際に受傷した。第2MP関節付近に強い疼痛と腫脹を認め、拳を握ると疼痛が増強する。単純エックス線写真(別冊No.3)を別に⽰す。この疾患で適切でないのはどれか。


1. 転位には⾻間筋と⾍様筋が作⽤する。
2. 側副靭帯を弛緩させると整復が容易になる。
3. 屈曲変形が残存すると伸展障害を起こす。
4. オーバーラッピングフィンガーに注意する。


問題104 15歳の男⼦。陸上100m⾛でスタートと同時に左股関節に疼痛が⽣じた。単純エックス線写真(別冊No.4)を別に⽰す。膝屈曲位で制限される股関節運動はどれか。


1. 屈曲・外転・外旋
2. 屈曲・内転・内旋
3. 伸展・外転・外旋
4. 伸展・内転・内旋


問題105 19歳の男性。2か⽉前にスノーボード滑⾛中に右肩を衝いて転倒した。肩関節の動きは悪かったが放置していた。症状が⼀向に改善しないため来所した。初検時、頚部から肩甲部にかけての⾃発痛があり、肩関節⾃動運動は屈曲90度、外転80度に制限されていた。両⼿で壁を押し付けさせる動作をしたところ、図のような現象がみられた。最も考えられるのはどれか。


1. 鎖⾻不全⾻折
2. 肩関節脱⾅
3. 棘上筋腱損傷
4. ⻑胸神経⿇痺


問題106 22歳の男性。サイクリングが趣味である。最近、右⼿の環指、⼩指のしびれを⾃覚し来所した。図の検査を実施し陽性であった。わずかであるが⾻間筋と⼩指球筋に萎縮がみられた。また、前腕の感覚障害はみられなかった。他に考えられる所⾒はどれか。


1. 下垂指
2. 祝祷肢位
3. スワンネック変形
4. 鉤⽖指変形


問題107 25歳の⼥性。2週前、転倒した際に右⼿を衝いて受傷したが、しばらく安静にしていたので症状は治まっていた。最近、⼿を使う作業が多く、⼿関節尺側に疼痛が出現してきたので来所した。⼿関節尺側部に圧痛があり、尺⾻頭に軽度不安定性がみられた。困難な動作はどれか。
1. ドアノブを捻る。
2. ⾷事を摂る。
3. 顔を洗う。
4. ⽂字を書く。


問題108 8歳の男児。6歳からサッカーを始めた。特に肥満はない。1か⽉前から右膝から⼤腿部にかけての疼痛を訴えていた。しばらく様⼦をみていたところ、⺟親が破⾏に気付き来所した。膝関節に腫脹や圧痛、不安定性などはなく、⼤腿部も若⼲の筋緊張はあるものの明確な所⾒はなかった。股関節は外転・外旋に制限がみられた。スカルパ三⾓部に圧痛を認め、パトリックテストも陽性であった。最も考えられるのはどれか。
1. ⿏径部痛症候群
2. 単純性股関節炎
3. ペルテス(Perthes)病
4. ⼤腿⾻頭すべり症


問題109 36歳の⼥性。退職し⺟親の介護を始めた昨年から体重が10kg増加した。2週前から右⾜関節内果周辺に疼痛がみられ、内果後⽅から遠位にかけて軽度の圧痛を認めた。踵部は外反位を呈し、つま先⽴ちは痛みのため困難である。考えられる疾患はどれか。
1. 内果疲労⾻折
2. シンスプリント
3. 変形性⾜関節症
4. 後脛⾻筋腱炎


問題110 30歳の男性。スキー滑⾛中に転倒し、ストックのストラップに右⺟指が引っ掛かり受傷した。来所時右⺟指に疼痛、腫脹がみられた。最も困難な動作はどれか。
1. キーボードを叩く。
2. 鍵を回す。
3. ボールを握る。
4. 瓶の蓋を開ける。


第27回 柔道整復師国家試験問題 午後(61~110)

解答

問61問62問63問64問65
24311
問66問67問68問69問70
34324
問71問72問73問74問75
11.4424
問76問77問78問79問80
42242
問81問82問83問84問85
31124
問86問87問88問89問90
34423
問91問92問93問94問95
12233
問96問97問98問99問100
23344
問101問102問103問104問105
24214
問106問107問108問109問110
41342