第26回 柔道整復師国家試験問題 [ 午後 ] (61~110)

問題61 ベルテス(Perthes)病で誤っているのはどれか。
1.男児に好発する。
2.関節症の原因となる。
3.股関節の開排制限がみられる。
4.ドレーマン(Drehmann)徴候がみられる。


問題62 ⾻腫瘍と好発部位の組合せで誤っているのはどれか。
1.⾻⾁種 ─── ⾻幹端部
2.ユーイング(Ewing)⾁腫 ─── ⾻幹部
3.⾻巨細胞腫 ─── ⾻端部
4.⾻軟⾻腫 ─── ⾻幹部


問題63 下腿コンパートメント症候群の症状でないのはどれか。
1.疼痛
2.運動⿇痺
3.蒼⽩
4.⽪膚萎縮


問題64 外反⺟趾で正しいのはどれか。
1.第1中⾜⾻が外反している。
2.凹⾜変形を合併する。
3.⺟趾は外旋する。
4.⼥性に多い。


問題65 43歳の男性。右下肢の癌痛と脱⼒を主訴として来院した。 3週前に重量物を挙上した際に、いわゆるぎっくり腰になった。右下腿遠位外側から⾜背に感覚障害を認める。この患者にみられる所⾒はどれか。
1.スパーリングテスト陽性
2.膝伸展筋⼒低下
3.⺟趾伸展筋⼒低下
4.膝蓋腱反射低下


問題66 ⼩児⾻折で誤っているのはどれか。
1.⾻折の治癒過程で⾻に過成⻑が起こる。
2.幼⼩児の脛⾻⾻幹部では⾻膜下⾻折が起こりやすい。
3.⾻は柔軟性に富んでいるため粉砕⾻折を⽣じることは少ない。
4.⾻のリモデリングが盛んで捻転転位の⾃家嬬正は顕著である。


問題67 ⾻折と後遺症の組合せで正しいのはどれか。
1.前腕⾻⾻折 ─── 過剰仮⾻形成
2.肋⾻⾻折 ─── ズデック(Sudeck)⾻萎縮
3.踵⾻⾻折 ─── 阻⾎性⾻壊死
4.上腕⾻外科頚⾻折 ─── 外傷性⾻化性筋炎


問題68 反復性脱⾅の原因となるのはどれか。
1.⾻軟⾻の発育障害
2.関節の弛緩
3.⾃⾝の筋⼒
4.腱付着部の裂離⾻折


問題69 脱⾅を疑わせる所⾒で誤っているのはどれか。
1.弾発性抵抗を認める。
2.関節軸が変化する。
3.関節⾎腫が著明である。
4.関節窩部に陥凹を触知する。


問題70 リスフラン関節脱⾅で正しいのはどれか。
1.背側脱⾅は⾜背アーチが低下する。
2.底側脱⾅は⾜底部に⾜根⾻前部が突出する。
3.内側脱⾅は⾜内縁に内側楔状⾻が突出する。
4.外側脱⾅は⾜外側縁に第5中⾜⾻基部が突出する。


問題71 筋腱と⾻摩擦部の組合せで正しいのはどれか,
1.棘上筋腱 ─── ⼩結節部
2.上腕⼆頭筋腱 ─── 関節下結節部
3.⻑⺟指伸筋腱 ─── リスター結節部
4.⻑⺟指外転筋腱 ─── 尺⾻茎状突起部


問題72 ⾜関節底屈強制で症状が誘発されるのはどれか。
1.第1ケーラー(Köhler)病
2.有痛性三⾓⾻
3.アキレス腱断裂
4.⾜底腱膜炎


問題73 ⼤腿四頭筋損傷の患者から主訴聴取後に⾏う⾝体所⾒評価で正しいのはどれか。
1.関節可動域や⼤腿周径の計測
2.腫脹や出⾎斑の確認
3.筋硬結や陥凹の確認
4.FNSテストによる確認


問題74 直ちに医師の診察を要するのはどれか。
1.徒⼿整復前に末梢動脈の拍動を認めなかった。
2.蒼⽩だった顔⾊が徒⼿整復後に紅潮してきた。
3.包帯施⾏後に末梢部にしびれ感を訴えた。
4.固定除去後に関節可動域が制限されていた。


問題75 基本包帯法で正しい組合せはどれか。
1.肩部 ─── 扇状帯
2.⺟指 ─── ⻲甲帯
3.膝部 ─── ⼈字帯
4.⾜部 ─── ⻨穂帯


問題76 ⾻折と好発部位の組合せで誤っているのはどれか。
1.頸椎楔状圧迫⾻折 ─── 第3頸椎
2.頸椎棘突起⾻折 ─── 第7頸椎
3.胸椎椎体圧迫⾻折 ─── 第7胸椎
4.腰椎椎体破裂⾻折 ─── 第1腰椎


問題77 肩甲⾻体部⾻折で正しいのはどれか。
1.粉砕⾻折が多くみられる。
2.⾻⽚の転位が⼤きい。
3.患肢は内転位で保持する。
4.深呼吸によって疼痛が軽減する。


問題78 上腕⾻近位端部⾻折で正しいのはどれか。
1.⾻頭⾻折は⾻癒合が良好である。
2.解剖頸⾻折は関節内⾎腫が著明である。
3.⾻端線離開は肩関節内転・屈曲位固定する。
4.⼩結節単独⾻折は肩関節前⽅脱⾅に合併する。


問題79 介達外⼒による上腕⾻⾻折で遠位⾻⽚が前上⽅に転位するのはどれか。 2つ選べ。
1.外科頸内転型⾻折
2.⾻幹部⾻折(三⾓筋付着部より遠位⾻折)
3.顆上屈曲型⾻折
4.外顆⾻折


問題80 上腕⾻⾻幹部横⾻折で偽関節が発⽣しやすい原因はどれか。
1.接触⾯積が広い。
2.海綿質が豊富である。
3.整復位保持が困難である。
4.軟部組織が介在しやすい。


問題81 上腕⾻顆上伸展型⾻折で正しいのはどれか。
1.内旋転位の残存はリモデリングが期待できる。
2.前⽅傾斜⾓の減少によって屈曲制限をきたす。
3.バウマン⾓の増⼤は内反肘変形を⽰唆する。
4.積極的な他動運動によって関節可動域訓練を⾏う。


問題82 モンテギア(Monteggia)⾻折で正しいのはどれか。
1.伸展型に⽐べ屈曲型が多い。
2.伸展型では尺⾻は前外⽅凸の屈曲変形を呈する。
3.尺⾻神経⿇痺を合併する。
4.屈曲型では肘関節鋭⾓屈曲位、前腕回外位で固定する。


問題83 ⼿根⾻⾻折で正しいのはどれか。
1.⾈状⾻⾻折は直達外⼒によって発⽣することが多い。
2.⼩菱形⾻⾻折に合併する⾻折では第1中⼿⾻⾻折がある。
3.有鈎⾻鈎⾻折はゴルファーにみられる。
4.⽉状⾻単独⾻折は⽉状⾻周囲脱⾅より多く発⽣する。


問題84 中⼿⾻頸部⾻折の整復で正しいのはどれか。
1.整復時、⼿関節は軽度屈曲位とする。
2.側副靭帯を弛緩させて⾏う。
3.MP関節伸展位で末梢牽引を⾏う。
4.遠位⾻⽚を掌側から背側に直圧する。


問題85 指⾻⾻折で捻転転位を伴いやすいのはどれか。
1.末梢⾻横⾻折
2.中節⾻⾻幹部⾻折
3.基節⾻頸部⾻折
4.基節⾻頸部⾻折


問題86 棘果⻑の延⻑がみられるのはどれか。
1.デュベルニー(Duverney)⾻折
2.マルゲーニュ(Malgaigne)⾻折
3.セゴン(Segond)⾻折
4.ポット(Pott)⾻折


問題87 果部⾻折におけるラウゲ・ハンセン分類で、前脛腓靱帯の断裂とともに、外果の斜⾻折がみられるのは
どれか。
1.回外・内転⾻折
2.回外・外旋⾻折
3.回内・外旋⾻折
4.回内・外転⾻折


問題88 下腿三頭筋の急激な収縮で発⽣する踵⾻⾻折はどれか。
1.⽔平⾻折
2.載距突起⾻折
3.踵⾻体部⾻折
4.踵⾻隆起⾻折


問題89 胸鎖関節前⽅脱⾅で正しいのはどれか。
1.肩に対して後⽅への介達外⼒によって発⽣する。
2.筋緊張を避けるため頭部を健側に傾ける。
3.鎖⾻中央部⾻折との鑑別が必要となる。
4.変形を残すと⼤きな機能障害がみられる。


問題90 反復性肩関節脱⾅の原因で誤っているのはどれか。
1.バンカート損傷
2.ヒル・サックス損傷
3.関節上腕靭帯断裂
4.肩峰下インピンジメント症候群


問題91 肘関節後⽅脱⾅の転位で正しいのはどれか。
1.関節包の後外側⾯が断裂する。
2.上腕⾻遠位端が後⽅へ転位する。
3.橈⾻頭は上腕⾻⼩頭の外側⾯に接する。
4.尺⾻鈎状突起は上腕⾻滑⾞の後壁に接する。


問題92 股関節後⽅脱⾅で正しいのはどれか。 2つ選べ。
1.股関節過伸展時に股関節の外転、外旋が強制され発⽣する。
2.転位した⼤腿⾻頭の隆起が鼡径部の⽪下で触れる。
3.整復障害因⼦として関節包裂孔部の狭⼩がある。
4.下肢の重さと重⼒を利⽤した整復法としてスティムソン法がある。


問題93 距腿関節脱⾅で正しいのはどれか。
1.前⽅脱⾅では前⾜部が短縮してみえる。
2.後⽅脱⾅では⾜が伸展位に固定される。
3.内⽅脱⾅では⾜が回内している。
4.外⽅脱⾅では⾜背が内⽅に向く。


問題94 橈⾻動脈の拍動を調べないのはどれか。
1.アドソンテスト
2.ライトテスト
3.モーリーテスト
4.アレンテスト


問題95 リトルリーガー肩はソルター・ハリス分類ではどれか。
1.Ⅰ 型
2.Ⅱ型
3.Ⅲ型
4.Ⅳ型


問題96 絞扼性神経障害を起こす絞扼部と神経の組合せで正しいのはどれか。
1. 肩甲切痕部 ─── 肩甲下神経
2. クアドリラテラルスペース ─── 腋窩神経
3. フローセの腱⼸ ─── 尺⾻神経
4. 浅指屈筋腱⼸ ─── 橈⾻神経


問題97 疼痛が主症状であるのはどれか。
1.動揺性肩関節
2.デユピュイトラン(Dupuytren)拘縮
3.ベーカー(Baker)嚢腫
4.膝蓋軟⾻軟化症


問題98 初期変形性膝関節症の痛みの特徴はどれか。
1.動作開始時
2.動作中
3.動作後
4.夜間就寝時


問題99 膝関節内反動揺検査で正しいのはどれか。
1.内側側副靭帯損傷の重症度を判定する。
2.患側から先に検査を⾏い健側と⽐較する。
3.⼤腿四頭筋を収縮させて⾏うと検査が容易である。
4.30度屈曲位で動揺がなければ伸展位の検査は必要ない。


問題100 踵の固定を⽬的とするテーピングはどれか。


1.a
2.b
3.c
4.d


問題101 21歳の男性。 2か⽉前にバスケットボール試合中に左膝を打ち負傷した。脛⾻粗⾯部の発⾚と腫脹を認めていたが、症状は軽快したという。最近、運動時に膝窩部痛が出現し来所した。ラックマンテストでエンドポイントはあるが、膝90度屈曲位で脛⾻を前へ引くと出るような感じとそこから後ろに押すと戻るような感じがある。考えられるのはどれか。
1.ジャンパー膝
2.前⼗字靭帯損傷
3.オズグット-シュラッター(Osgood-Schlatter)病
4.後⼗字靭帯損傷


問題102 54歳の⼥性。散歩中に⾜を滑らせ右⼿掌を衝いて転倒し受傷した。来所時、右肩関節はやや外転し弾発性固定を認めた。三⾓筋部の膨隆とモーレンハイム窩が消失していた。整復前と整復後の単純エックス線写真(別冊No.2)を別に⽰す。整復後の固定肢位はどれか。


1.肩関節軽度屈曲内旋位
2.肩関節下垂外旋位
3.肩関節外転外旋位
4.肩関節内転内旋位


問題103 33歳の男性。倒⽴をしている時に転倒し、右の橈⾻⾻幹部遠位1/3部⾻折に遠位橈尺関節背側脱⾅を合併した。固定肢位で正しいのはどれか。
1.肘関節鋭⾓屈曲位、前腕回外位
2.肘関節鋭⾓屈曲位、前腕回内回外中間位
3.肘関節直⾓位、前腕回外位
4.肘関節直⾓位、前腕回内回外中間位


問題104 30歳の男性。 1週前、野球の試合中バットを強く握りスイングした時、強い痛みを覚えた。受傷直後から⼩指のしびれを訴えている。⼿掌の遠位⼿根⾻尺側部分に強い圧痛を認めた。⺟指の運動で制限がみられるのはどれか。
1.屈曲
2.伸展
3.内転
4.外転


問題105 30歳の⼥性。パラグライダーで⾶⾏後、右⾜関節伸展状態で着地して負傷した。歩⾏不能のため、友⼈に連れられ来所した。腫脹、限局性圧痛および⾜関節伸展時痛がみられる。⺟趾が直⾓に⾜底側に屈曲している。考えられるのはどれか。
1.踵⾻⾻折
2.距⾻⾻折
3.⾈状⾻⾻折
4.⽴⽅⾻⾻折


問題106 21歳の⼥性。空⼿の練習中、相⼿の肘で頬を強打された。 2週後、両側の外⽿孔前⽅に圧痛と同部の疼痛による開⼝制限があるため来所した。顎関節運動時にクリック⾳はなく、強制的に開⼝をさせると開⼝域増⼤を認めた。この患者で考えられるのはどれか。
1.咀嚼筋障害
2.関節包・靭帯障害
3.関節円板障害
4.変形性顎関節症


問題107 22歳の⼥性。事務職員をしている。 1週前からパソコン作業をしていると右上肢に鈍痛と冷感を⾃覚するようになった。その後、通勤時に電⾞のつり⾰を握っていると上肢がだるく、鈍痛や冷感の症状が悪化することに気付き来所した。⼥性はなで肩である。陽性となる検査法はどれか。 2つ選べ。
1.ドロップアームテスト
2.ルーステスト
3.スパーリングテスト
4.エデンテスト


問題108 46歳の⼥性。右⼿で瓶の蓋を回し開けようとした時、突然、⽰指が屈曲位となった。MP関節は30度屈曲位をとり、その位置からの屈曲は可能であるが伸展は不能であった。MP関節に明瞭な腫脹や熱感はなく、PIP関節の屈伸障害もみられない。この患者の圧痛部は図で⽰す部位のどれか。


1.a
2.b
3.c
4.d


問題109 21歳の男性。柔道の乱取り中、相⼿に技をかけた時に⾃らもバランスを崩して転倒し、畳に指先を突き受傷した。疼痛が軽度であったので指先をテーピング固定して練習を継続したが、次第に⼒が⼊りにくくなり、痛みも強くなったため中断した。この時の患部の写真(別冊No.3)を別に⽰す。中指DIP関節の伸展は不能であるが、PIP関節の屈伸は可能である。考えられるのはどれか。


1. 指伸筋腱断裂
2. PIP関節背側脱⾅
3. 浅指屈筋腱断裂
4. 正中索断裂


問題110 16歳の男⼦。⾼校では陸上部に所属し、⻑距離を専⾨としている。最近、競技会が近いため練習量を増やしたところ、脛⾻の内側に痛みが⽣じ来所した。脛⾻内側後縁部に沿った疼痛とストレッチング痛を認めた。この損傷の原因となるアライメント異常はどれか。
1.内反膝
2.扁平⾜
3.凹⾜
4.回外⾜


第26回 柔道整復師国家試験問題 午後(61~110)

解答

問61問62問63問64問65
44443
問66問67問68問69問70
41434
問71問72問73問74問75
32214
問76問77問78問79問80
1321.33
問81問82問83問84問85
22344
問86問87問88問89問90
12114
問91問92問93問94問95
43.4431
問96問97問98問99問100
24143
問101問102問103問104問105
43432
問106問107問108問109問110
22.4212